一般社団法人 渋川青年会議所 2017年度 理事長基本方針


2017年度 理事長 永井 廣隆

はじめに

 西にそびえる、榛名山。東には、赤城山を望み、北には、子持山と小野子山。北からは利根川、西からは吾妻川が流れ、その合流点に位置する私たちがこよなく愛するこの渋川広域は、緑豊かな自然にあふれる素晴らしい郷土であります。渋川青年会議所は、この郷土の発展に対し、激しい情熱を燃やす青年達が集まり、急激な経済発展に伴う人間性のひずみから生じた社会連帯意識の欠如を深く痛感し、暗中に一条の光明を青年会議所運動に見出し、初代仙田一夫理事長を中心に、1968年、日本で372番目の青年会議所として誕生いたしました。設立より途切れることなく、先輩方が英知と勇気と情熱を持って運動を邁進されて半世紀。2017年度、渋川青年会議所は創立50周年の節目の年を迎えることができました。これも、日頃より私たちの運動に対して、ご理解、ご協力、またご支援いただいております行政ならびに関係諸団体、地域住民皆様のお陰であります。あらためて、敬意を表すと共に、深く感謝申し上げます。
 近年の我が国は、安倍政権によるアベノミクスを柱とした経済政策、日銀による大胆な金融緩和政策等により一時の先行きの見えない深刻な政治・経済状況からはいくらか抜けだしたといった声も聞こえるようになりましたが、依然として少子高齢化や個人消費の低下といった日本経済が抱える根源的な問題の解決とはほど遠く、回復の傾向にあるとはとても言えません。一方で、2020年に開催されます東京オリンピックに向けての、経済状況の好転の気運も感じられるような動きもあり、不安と期待が入り混じる混沌とした時代であると言えます。さらに世界に目を向けてみても、英国のEU離脱問題、中国経済の停滞、北朝鮮による核・ミサイル問題等の世界的な問題が波となり押し寄せ、より一層のスピード感を持った対応が求められております。このような中、日々の生活に追われ毎日をこなすのが精一杯で、将来に対して夢や希望を描くことが困難になっているのが現実ではないでしょうか。
 私たちの先輩方は、渋川青年会議所50年の歴史において、その時々の様々な問題に立ち向かい、一切ぶれることなく『明るい豊かな社会』の創造に向けて議論を交わし、一心不乱に運動を展開してまいりました。その不屈の精神と、まちづくりに対する真摯な想いは私たちにも間違いなく引き継がれています。この社会において、「このままでいい」とは誰一人思ってない筈です。自らが生まれ育ち、生活をするこの郷土では、愛する家族や友人、自分を支えてくれる多くの人々がいます。そしてその方々の支えがあり、自分が存在していることも知っている筈です。それであるならば、今私たちは、今まで以上に大胆な行動を起こす価値があるのではないでしょうか。私は、先輩方より受け継いだ礎のもと、後輩たちにこれらの歴史と伝統を守り伝えることで、未来へのさらなる飛躍につなげる事が自分の責務であると考え、愛するこの地域の為に、強い決意のもと邁進していきます。

 

輝ける未来につなげる 創立50周年

 「50年間つないできた襷がある ~想いは運動へ 運動は未来へ~」
                       創立50周年 スローガン

創立50周年。これは、過去・現在・未来において、間違いなく重要な節目の年となるでしょう。今こそ、未来を見据えた新たな視点に立った道筋づくりを本気で考える時期だと考えます。
渋川青年会議所は、1973年に公益の為に設立される法人の一つとしての社団法人となりました。その後、社団法人のあり方を抜本的に見直すための公益法人制度改革が施行されたことを受け、2012年に私たちは一般社団法人を選択しました。この選択は、法人格の枠にとらわれる事無く、渋川青年会議所「らしさ」を損なわないように、自由な発想のもと『明るい豊かな社会』の創造を目指す、そんな思いのなかでの選択でした。そして、青年会議所は、独立した法人であり、いかなる団体の影響下にある組織でもありません。だからこそ、私たちは、自由な意志と発想をもって運動を展開する事ができると考えます。私たちの先輩方は、50年にわたる長い歴史のなか、『明るい豊かな社会』の創造に向けて多くの事業をおこなってまいりました。これまで先輩方によっておこなわれてきた運動のすべてが、今の青年会議所の礎となっていることに感謝を示すとともに、今まで以上にこの運動を発展させ、次世代に引き継がなくてはいけません。創立から50年が経とうとしている今だからこそ、設立趣意書にある創始の精神に立ち返り、青年会議所の目的にそった、この地域の方々の未来を描けるような事業を、全力でおこないたいと考えております。今後入会してくる後輩たちが胸を張って活躍できるように、私たちも先輩方のように、「襷」をつないでいきます。

 

魅力あるまちづくり団体になるための 会員の資質向上と会員拡大

 自分の周りの方から、「JCって何の団体なの?」と聞かれることがあります。何のために、誰のために、運動しているのか。『明るい豊かな社会』の創造なんて、おこがましくて言えない。そんな方も多いのではないでしょうか。渋川青年会議所は、近年の継続的な会員拡大の成果もありまして、本年度、50名の会員でスタートを切ることができます。しかし、青年会議所運動を進めるうえで、このまちの方々に、私たちがどんな目的を掲げて運動しているのかを正しく伝えることができる会員は決して多くないと思います。その為に、まずは一人ひとりが運動を伝えるうえで、魅力のある人間として、地域の方々に信頼されるべき存在にならなくてはいけません。また、入会間もない会員が、青年会議所運動の目的や意義を少しでも早く理解する為に、積極的に参加できる環境の創出を常に心がけなくてはいけません。青年会議所では、理事会や委員会、例会や事業、様々なトレーニング講座を通して、仲間からの叱咤激励を受け、ある時は喜び、ある時は悔しい思いをしながら、誠実さや行動力を培い実績を積むことができ、さらにはそれらの活動に積極的に参加することで、青年会議所運動に対する魅力をどこかに必ず見出すことができます。そんな会員がひとりでも増えていくことが、まちづくりに誠実で、実績と行動力を兼ね備えた団体として、このまちの方々に信頼を感じていただくことができると考えます。
青年会議所は、どれだけ若い年齢で入会したとしても、どれだけ様々な役職に就いていたとしても、40歳を迎える年に等しく卒業するというルールがあります。このことは、常に組織の活性化をうながし、異なる役割を与えてくれるという点では優れたルールであり、青年会議所の特徴であります。しかし一方では、常に新入会員を迎え続けなければならないということを意味しております。さらには、人口減少にともなう会員や入会対象者の減少、厳しい経済状況の中、働き盛りの青年期に貴重な時間とお金を費やして活動することは容易なことではなく、近年、どこの青年会議所においても会員の拡大は非常に重要な課題であると位置付けられております。渋川青年会議所におきましても、2年後、3年後に卒業をむかえる会員が非常に多く、まだまだ会員の減少は、予断を許さない状況です。会員の減少は、運営面に影響を与えるだけではなく、事業規模の縮小につながり、会本来の目的の達成に支障をきたすことは明らかであります。しかしながら、単に会員の増加のみを目的とした狭い活動だけをおこなうのかというと疑問が残ります。会員の増加は非常に大切なことですが、青年会議所の魅力を伝えることこそが会員の拡大の本質であり目的であると考えております。会員の拡大を通して、私たちがどのような目的を掲げ活動しているのか、また、青年会議所運動の意義を正しく知っていただくことで、私たちの理解者や協力者、事業においての参加者の拡大へとつながり、その先に、必ずや志の高い仲間との出会いがあると信じております。

 

地方創生につなげるための 地域力の向上

 2014年、民間有識者でつくる日本創成会議が消滅可能性都市として、全国の市区町村のおよそ半分にあたる896自治体を指定し、そこには、渋川市も含まれておりました。そしてその直後に「地方創生」という言葉が生まれ、これまでのような国から地方への画一的な政策ではなく、活力を持った地方が各地に出現することに、国が抱える問題解決の糸口が求められております。地方創生の主たる目的は、人口減少の歯止めと首都圏一極集中の是正であり、地方が自らの地域に誇りを持ち、独自の文化を磨き上げていくこと、そして、そのような自立した地域が次世代の住民に選択される魅力ある生活の場となることで地方創生につながっていくはずです。
さらに、2015年6月の改正公職選挙法の施行により、先に行われた参議院選挙より選挙権年齢が18歳に引き下げられました。有権者の平均年齢が高まる中、多くの若年有権者が生まれたことは、様々な議論を活発化させる契機となり、世代ごとの価値観を交流させることが必要です。
これらの課題を解決に導くことができるのは、これまで地域に根差し、常に『明るい豊かな社会』の創造を目指し運動をおこなってきた青年会議所ではないでしょうか。今こそ、地方で生きる選択をしている私たちが、地域に対して使命を果たす最良の時であり、次世代を生きる人たちのために、理想とする社会の実現に向けた運動を迷いなく展開していく必要があります。そのために私たちは、この地域が自立し、継続的な社会になるため、青年会議所単体だけでなく、同じ地域の団体やそこに暮らす皆様と活動することが重要であると考えます。多くの人々を巻き込み運動を展開していくことで、様々な問題を解決する糸口がきっと見つかるはずです。この地域のことを思う人々は私たち以外にも沢山います。その人々の想いをしっかりとくみ取り、地域力の向上のための一歩を踏み出します。

 

受け継がれる誇り 継続事業

私たちには、先輩方より長く受け継がれてきた事業があります。私たちの歴史とともに歩み今年度67回目を迎える『駅伝大会』。渋川へそ祭りにおける『ちびっこへそ踊りパレード』。そして設立初年度よりおこなわれている『献血運動』です。この誇り高き継続事業は今年度も歩みを止めることなく開催いたします。そして、各事業が時代に合った、また地域の方々に真に求められる事業とするために、さらに進化・発展させることこそがいつの時代も途切れることなくおこなわれてきた継続事業を本年度も開催する意義であると考えます。
『日本のまんなか渋川駅伝大会・日本のまんなかジュニア駅伝大会』は渋川青年会議所の前身である、SSK(旧渋川青年会議所)が、1951年に、北群馬青年駅伝大会として開催したのが始まりです。全国でも他に類をみないほど長く続いている伝統ある市民駅伝大会であります。この大会を継続して設営することで、いつの時代も渋川青年会議所の創始の精神に触れる事ができ、また、継続してきた大会とともに伝えられてきた先輩方の青年会議所運動に対する熱くまっすぐな想いを感じる事が出来ます。今年度も、参加者やボランティアのみならず、地域の方々に一人でも多く事業に関心を持っていただき、さらには、大会の設営にかかわりを持っていただけるよう、この郷土の為のまちづくり、『明るい豊かな社会』の創造といった目的を追求することで今年度も進化させていきます。
『ちびっこへそ踊りパレード』は、渋川市にて開催される渋川へそ祭りにおいて、1994年よりおこなってまいりました。多くの園児がそろいの衣装で、かわいらしく踊る姿は、見ている方が自然と笑顔になり、またその付き添いでお越しくださるご家族、ボランティア等、かかわる方々は非常に多く、集客、盛り上がり等、目玉のイベントとなっております。まさに、地域の方々に求められている事業と言うことができ、渋川の夏の風物詩となっている事業だけに、今年度も盛大に開催させていただきます。参加される園児たちのよき思い出を作るとともに、全国的にも知名度、特色のある『渋川へそ祭り』に参加することで、郷土への帰属意識の醸成につなげていただけるように努めていきたいと考えております。ただ、渋川へそ祭りとして全体の運営を考えますと、一日開催になったことや、参加企業の減少等の為か、近年盛り上がりに欠けるといった声も聞こえてまいります。渋川へそ祭り開催当初より参画団体としてかかわっている渋川青年会議所としては、お祭り全体の活性化も議論するべきであると考えます。私たちの、実績に裏付けされた行動力と大胆な発想力を持って、『ちびっこへそ踊りパレード』における参加者のみならず地域の方々が、郷土に対する誇りや愛着を持っていただけるきっかけとなる事業にしていきたいと考えます。

 

効果的に運動を発信するための 広報活動

 渋川青年会議所として様々な事業をおこなう上で、事業の目的を実現し、最大限の効果を発揮していくためには、組織としてさらに発信力を強化し、社会における認知度を高めていく必要があります。どれだけ素晴らしい事業を開催しても、知られていなければ、そのような事業は存在しなかったのと同じであり、事業を開催する意義が薄れてしまいます。社会における認知度の向上無くしては、運動のひろがりはあり得ません。
 また、発信力を強化するうえでは、私たちが渋川青年会議所や事業の魅力を十分に理解している必要があることは言うまでもありません。私たちが、組織の魅力をしっかりと理解することで、地域の方々や関係諸団体の方々に運動への参画を促すことができ、共感を得ることができると考えます。
対外に向けてのしっかりとした情報発信をおこなうことで、渋川青年会議所の運動を地域の方々にひろく知っていただき、私たちの運動の認知度向上を目指します。

 

むすびに

一般社団法人渋川青年会議所 第50代理事長を仰せつかり、渋川青年会議所の歴史に改めて鑑みることで、青年会議所運動として脈々と受け継がれてきた誇り、また『明るい豊かな社会』の創造といった、高尚なる理想の実現にむけて活動されてきた功績に畏敬の念を強く抱くことができました。優しさに溢れ、感情が豊かで、思いやりがあって、義理人情に厚い、様々な場面で経験してきた渋川青年会議所「らしさ」を創立から50年が経とうとしている今も大切にしていきたいと思います。50年の誇りと伝統を継承し、いよいよ次は我々の番です。地域の方々、子供たち、後輩たちの未来を切り開くのは、我々の世代であると、強く感じていただきたい。この一年間を皆で心を一つに躍動することが、輝ける未来につながると信じて・・・

 

2016/12/21